マスクの世界

 

 

 

「...聞き取れん!」

 

マスク生活になってから、今までよりも聞き取りに神経をつかう。

 

 

 

 

聞くだけでは話の内容を理解することは難しい。

 

 

口の動きと耳から聞こえた音を脳内で組み合わせて言葉に変換する。

そのため、会話をするときは相手の口元に視線を向ける。

 

 

 

なのに…マスクで声はこもり、口元が見えない。

 

 

 

 

カウンター越しの声はアクリル板に阻まれて、声が届いていないように感じる。

少しでも音を聞きたくて、ぎりぎりまで耳を寄せてみる。

 

 

 

耳からの情報しか入らなくなってしまっては困る。

 

 

理解したフリをしてその場をしのぐ自分。

「もう一度言ってもらえますか?」が言えない、悔しい。

 

 

口元が読めないということがこんなに不安で、自分にとって大事なコミュニケーションツールだということに改めて気付かされた。